お墓は なぜ石で できてるの?

なぜ、お墓は石で作られるのでしょう。

一般的には「日本は木の文化」、「ヨーロッパは石の文化」と言われます。木の文化の筈の日本が、なぜお墓だけは、石が多いのでしょう?それは日本の神話「古事記」が深く関わっているのです。その古事記とは、どんな物語なのか?からお話ししていきましょう。

日本の神話「古事記」

日本神話「古事記」の登場人物は「イザナの命(みこと)男の神様」と「イザナの命(女の神様)」の二人から始まります。

二人の神の「国生み」により日本の国土は次々と生まれました。

また国生みが終わると、海や山・石や水・鳥・穀物などの、それぞれをつかさどる三十五もの神々を生みました。

しかし火の神を生んだときに、「イザナの命」は火傷を負い、病気になり亡くなってしまったそうです。

 「イザナの命」は「美しい妻が火の神と引き換えとは・・」と嘆き悲しみ、妻(イザナの命)に会いたくて会いたくて、あの世である「黄泉(よみ)の国」まで会いに行きました。

しかし変わり果てた妻(イザナの命)の恐ろしい姿に驚いて、イザナの命は逃げ出してしまいました。

そんなイザナの命の態度に怒った妻は「恥をかかせた」と、黄泉の国の魔女たちや黄泉の国の軍隊を差し向けました。

しかしイザナの命は、なんとか黄泉比良坂(生者の住む現世と死者の住む高いとの境にあるとされる坂)まで逃げきり、千人でやっと動かせる巨大な「千引石(ちびきいわ)」で出口を塞ぎました。

この坂は島根県松江市東出雲町にあり、実際に「千引石」もあるそうです。

この「千引石」が「墓石の始まり」なのだそうです。

イザナの命と追いかけてきたイザナの命は、千引石をはさんで言葉を交わしたそうです。

日本神話から見える墓石の意味

この神話より千引石(墓石)には、たくさんの意味があると考えられています。

・死者の国との出口を塞ぎ、死者がこの世に自由に出てこれない様にする役割

・死者が安らかに眠っているのを邪魔してはならない

・ あの世とこの世を分ける役目

・外敵や疫病・厄病神の侵入を防ぐ

・墓石をはさんで、生きている者と亡くなった者が会話することが出来る場所

などが読み取れます。

日本には昔から「石」には霊が宿ると考えられてきました。自然界のあらゆるものに神が宿ると信じられ「八百万(やおよろず)の神々」が信じられてきました。特に「石」に宿る霊力は別格と考えられ、「石は聖なるもの」という考えが伝統と共に日本人の心の中に深く刻まれているのです。

次にお墓参りに行く時はこれを意識しながら、故人と語り合ってみてはどうでしょうか?


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ハクルリ

ハクルリ

座右の銘は「先駆け」。マイブームは休みの日に愛犬を連れて行くドックラン巡りです。


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