60才は高齢者?時代の変化に対応する高齢者雇用の実態

高齢者とは何歳から

一般的に高齢者とは何歳からのことなのでしょうか。

実は世界的な基準があります。まず1つは国連では60歳以上を高齢者とし、80歳以上を後期高齢者としています。 一方、国際保健機構(WHO)によると、高齢者は65歳以上となっており、80歳以上が後期高齢者とされています。

国連基準で行けば、「哀川翔さん」「B’z 松本孝弘さん」「田原俊彦さん」も高齢者、なんと「松田聖子さん」までもが高齢者となってしまします。60才が高齢者と言うには早いのでは?と感じてしまいますね。

60歳を境に非正規の労働者比率は上昇

内閣府の令和2年版高齢社会白書によりますと、

男性の場合(役員を除く)、非正規の比率は55~59歳で11.2%ですが、60~64歳で49.6%、65~69歳で71.3%と、60歳を境に大幅に上昇しています。

女性の場合(役員を除く)、同比率は55~59歳で61.2%、60~64歳で76.9%、65~69歳で84.4%となっており、男性と比較して上昇幅は小さいものの、やはり60歳を境に非正規の比率は上昇しているのです。

残念なことにまだまだ現役で働けるはずの60才が、定年の再雇用を境に前線から外される企業がほとんどのようです。

だが男性は60代後半でも全体の半数以上が働いている

男女別、年齢階級別に就業状況を見ますと、

男性の場合、就業者の割合は、55~59歳で91.1%、60~64歳で82.3%、65~69歳で58.9%となっており、60歳を過ぎても、多くの人が就業しています。

また、女性の就業者の割合は、55~59歳で73.2%、60~64歳で58.6%、65~69歳で38.6%となっています。

さらに、70~74歳の男性の就業者の割合は41.1%、女性の就業者の割合は24.2%となっています。

年齢階級別に就業率の推移を見てみますと、60~64歳、65~69歳、70~74歳では、10年前の平成21(2009)年の就業率と比較して、令和元(2019)年の就業率はそれぞれ13.3ポイント、12.2ポイント、10.4ポイント伸びています。(下図)

下の表を見ても、定年で前線を外されようが「働く高齢者」が増えているのがみてとれます。

令和2年版高齢社会白書より

これは働きたい高齢者が純粋に増えた訳ではなく、長寿社会を支える年金・社会保障がどこまで受け取れるかが不透明で、みなさん将来に不安を抱えているのも要因の一つでしょう。

少子高齢化を向かえた「年金問題」

日本は世界でも類を見ない早さで少子高齢化が進み、長寿大国となっており、2025年問題や2040年問題といった、社会保障制度上の大きな課題を抱えています。

日本は20歳を過ぎたら全ての国民が国民年金の加入者となります。国民年金のみに加入している人を第一号被保険者といい、会社員など厚生年金や共済年金に加入している人は、第二号被保険者といいます。専業主婦など「被扶養者」となる人第三号被保険者といいます。保険料を払い続けていれば全ての人は「老年基礎年金」を受け取ることができ、厚生年金に加入している人は所得に比例した分を追加して受け取ることができます。

その年金で問題になっているのが、2001年に解散した年金福祉事業団が「福祉の増進に必要な施設の設置又は整備を促進する」と銘打ち、無駄な施設などを作り3,682億円もの損失を出したり、年金積立金管理運用独立行政法人が国内外の株式や債券に投資し計9兆円もの損失を出したり、今回の新型コロナウイルスによる金融市場の動揺により2019年度は年金積立金の運用で8兆円の損失が発生したことなどが、「年金巨額損失問題」と騒がれ、「年金は破綻する」との不安材料を作り出しているのではないでしょうか。

年金破綻論は「旧民主党」の炎上商法?

実際は年金支給に関する積立金はほとんど使われていなく、年金支給に占める積立金の貢献度は100年先まで1割程度で推移する見込みです。

ではなぜ「年金は破綻する」というイメージがあるのでしょうか。これは政権交代前の「旧民主党」が「今のままでは年金は破綻する!」とし、当時の政府へ追及したのが原因とされています。「年金破綻論」に味を占めた「旧民主党」の炎上商法が実を結び?2009年の「政権交代」の一因と、なってしまったのかもしれませんね。

「旧民主党」が政権交代した後には「社会保障・税一体改革担当大臣の岡田氏(旧民主党)」は「年金制度破綻というのは、以前私もそれに近いことをかつて申し上げたことがあり、それは大変申し訳ない」と嘘であったことを国会の場で認めています。同じく政権交代後の「厚生労働大臣の長妻昭氏(旧民主党)」も「年金は破綻しません」とハッキリ自分たちの過ちを認めています。そのイメージが今だ残っているのです。今でもこのネタで政府を追及しようとする野党の議員もいますが…

なので運用による巨額損失などが原因で年金が減額されたり年金制度が破綻することはない!というのが一般論なのです。

高年齢者雇用安定法が改正(令和3年4月1日施行)

前項の様なことで年金に不安を抱き、働く高齢者が増えて来ているのも現実です。増えているのであればもちろん、法律の整備も必要となってきます。それが今回の「高年齢者雇用安定法」の改正です。

「高年齢者雇用安定法」とは、少子高齢化が急速に進行し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある誰もが年齢にかかわりなくその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境整備を図る法律です。

改正後は、「70歳までの就業機会の確保(努力義務)」

これからは65歳までの雇用確保(義務)に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、高年齢者就業確保措置として、以下のいずれかの措置を講ずる努力義務を新設しています。(令和3年4月1日施行)

①70歳までの定年引き上げ

②定年制の廃止

③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入(特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む)

④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる社会貢献事業などの制度の導入

簡単に言えば上の図↑のようになります。

「高齢者」が安心して働ける環境作りがされるわけですね!

子供が増えない以上、将来の税収は見込めません。「高齢者」が働けば納税額も増えますので、財務的な少子化対策となる訳です。「健康寿命を延ばすための対策」も医療費削減と税収増加の両方が見込まれ効果は高いでしょう。

子供を増やせないなら、高齢者を働かせろという逆転の発想ですね。

これからは60才で定年、隠居して悠々自適に過ごすなんて夢物語となりそうです。70才まで働くのは当たり前の時代になりそうです。筆者(50代)の時代には更に少子高齢化がすすみ、死ぬまで働くことになってそうですね(涙)。

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