宗教に関する日本人の意識と行動」調査

「日本人の国民性調査」が、5年ごとに文化庁文化部宗務課で実施されているのはご存知でしょうか?

昭和 28年から開始し、数えて13回目の調査を行っているこの調査は、長期にわたる継続質問項目によって、日本人の“ものの考え方”の変化の様相を明らかにすること、及び従来との継続を図りながら将来の新しい動向を探り、それに備えることをねらいにしているとのこと。

宗教を信じるかの調査

その調査を中から宗教に関する日本人の意識の変化を見てみましょう。その中の宗教を信じるかの調査では、何か信仰とか信心とかを持っていますか?という設問に

直近の平成 25 年では、

・「もっている、信じている」が 28%

・「もっていない、 信じていない、関心がない」が 72%

全体の 3 割程度が宗教を信じていると答えています。

かつて昭和 33年から昭和 48年まで「信じている」が 35%から 25%まで 減少していましたが、いったん昭和 53年に34%へと回復しています。しかしその後、微減傾向 に戻り、直近の 28%に至っています。

「もっている、信じている」は、男女別(上表)では女性の方が高く、直近では 1ポイント、前回は 4ポイント、前々回は 8ポイント高い。年代で比べると,年代が上るにつれて高くなっています。「20歳代では 13%」「70歳代以上では 44%」でした。

この傾向は,過去の調査においても一貫して見られるが、年代による差は縮小傾向にあり、特に 70歳以上では平成 15年まで約半数以上が信じていましたが、平成 20 年では 10 ポイントも下げ41%になっています。

文化庁「宗教関連統計に関する資料集」

あなたはご先祖を尊ぶ方ですか?

「あなたはどちらかといえば、先祖を尊ぶ方ですか?それとも尊ばない方ですか?」という調査は、全体としては昭和28 年からの推移(上表)を見ると、「尊ぶ方」という回答は昭和 28年に 77%でありましたが、平成 15年には 59%まで落ち込んでいます。だがその後、やや増加し平成 25年には 65%になっているのです。

男女別(上表)では、昭和 28年以来、女性の方が「尊ぶ方」が多かったが、平成 25年では男性との差は僅かです。

年代別に見ると、平成 25年は、「20~40歳代は「尊ぶ方」が 53~55%」であり、「50歳代で 66%」「60 歳代で 71%」「70歳以上で 81%」と年代が高くなるほど「尊ぶ方」が多くなる傾向が見られます。

20歳代は平成 10年に 29%まで落ち込み、その後増加して、平成 25年に 50% を超えました。30歳代は平成 15年に 34%まで落ち込み、その後増加して、平成 20 年には 50%を超えています。一方、70歳以上は、一貫して 80%を超えているのが見て取れるのです。

文化庁「宗教関連統計に関する資料集」より

読売新聞全国世論調査

読売新聞は過去 10回、宗教と宗教的行為についての全国世論調査を実施しています。(文化庁「宗教関連統計に関する資料集」より)

その結果、「宗教を信じている」「宗教は大切である」と思っている人の割合は、平成 7年の、いわゆるオウム真理教事件の頃にいったん低下し、その後また増加しています。他方、宗教的行為と思われる初詣や墓参などの行為は、30年間でむしろ徐々に増えてきています。

これらを見てみても宗教への心や供養に関する気持ちが大きく下がっているのではなく、供養への考え方や、自由な供養スタイルへ変革が進んでいると思われます。お墓離れが叫ばれる現代、過去のスタイルに拘らず「心のよりどころ」としての場所が、お墓や寺院などになるのかもしれません。

この結果を、みなさんの宗教観と照らし合わせて見るのも面白いのではないでしょうか。

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