2025山形市の火葬場事情(上山市・山辺町含む)
現在、山形市の「火葬場」は1箇所しかありません。また山辺町には無く、近隣の「火葬場」を利用している状態です。
山形市の寿町に所在する「火葬場」は、山形市民であれば無料で利用できます。山形市が運営する、いわゆる公営斎場です。

火葬炉は5基、待合室は4部屋、駐車場は15台と山形市全体をカバーするには手狭です。また遺体の安置は不可で不便さもあるようです。また市街地に隣接しており、近隣住民も規模を拡大しての移転を望む声も少なくはありませんでした。
その声に応えてか、山形市(山形市役所市民生活部市民課)中心に「新広域斎場整備基本構想」が令和6年3月に策定され発表されました。
山形市の山形市斎場は昭和59(1984)年に竣工してから40年、上山市の上山市経塚斎場は昭和56年(1981)年に竣工してから42年が経過しており、施設・設備の老朽化、施設(諸室・駐車場)の不足や狭さ、高齢化の進展による火葬需要の増加への対応などの課題が生じています。
また、山辺町には斎場が無いため、町民に対し火葬料補助として斎場使用料の一部を町が補助して近隣市町の斎場を使用しており、予約の取りづらさ、手続きの煩雑さが課題となっているとのこと。

このような課題に対応し、将来にわたり安定的に火葬業務を提供するために、2市1町(山形市、上山市、山辺町)の広域連携により、新広域斎場の建設に向け検討を進めております。斎場の現状や課題を整理し、施設整備の基本方針や、施設構成・規模など基本的な考え方をまとめた「新広域斎場整備基本構想」を令和6年3月に策定し、山形市の現斎場が現在の場所では拡張の余地がないため移転予定とのことです。
開場時期については令和16年には開場したいとのこと。
火葬も増加傾向
これからは高齢者の増加を鑑みても、火葬も増加傾向です。
また県内の火葬場は燃料が重油であるところも多くコストもかかり、焼骨も時間がかかっています。火葬炉をこれから新設するとなれば電気火葬場とし、コストカットと周辺環境に配慮した斎場とすべきです。
・火葬件数の推移
火葬件数及び日平均火葬件数は山形市、上山市とも年々増加傾向です。
山形市斎場:火葬件数 3,406 件 日平均 9.5 件(令和4年度)
上山市経塚斎場:火葬件数 580 件 日平均 1.6 件(令和4年度)

・1 日の最大火葬件数・1 炉当たりの最大回転数
山形市斎場は他の斎場と比較して 1 炉当たりの火葬件数が多く、
山形市斎場:14 件/日 延長枠 2 件/日を含めると 16 件/日一炉当たり最大 3〜4 回転/日で稼働 延長枠を使用した火葬日数 21 日/年(令和4年度)
上山市経塚斎場:4 件/日 一炉当たり最大 2 回転/日で稼働している。

・将来死亡者数の推移
死亡者数は 令和21年頃まで増加しその後徐々に減少の見込みで、山形市・上山市・山辺町の将来死亡者数の最大値:4,308 人(令和21年)となるとのこと。
新火葬場は火葬炉は11基に
現状の火葬件数や将来死亡者数をもとに、新広域斎場の火葬炉数を算出すると計画炉数は 9〜11 基となるが、人口動向や火葬件数の動向を踏まえ、今後基本計画においても再度算出が必要となります。
2 市 1 町の人口 285,919 人(令和4年度)となると火葬するための「炉数」は 11 基は必要となる。それを踏まえると、敷地面積は 39,000 ㎡程度、建物延床面積は 4,000 ㎡程度が必要と算定できるが、あくまで目安であり建替え場所の状況や施設の平面構成等に合わせ基本計画において見直しが必要となっているとのこと。

山形市・上山市・山辺町合同で整備予定

令和16年に「新火葬場」がオープン予定?

山形市民としては、是非このスケジュールで実現してほしいものです。
ちょっと無駄話「東京の火葬場事情」
では、人口の多い東京ではどのようになっているのでしょうか。
東京都の公営の火葬場は23区内でたった2カ所のみにとどまります。その他は全ては「民間の火葬場」なのです。
日本で屈指の民間斎場(火葬場)である戸田葬祭場(東京都板橋区)は年間火葬数が約1万4000体に上ります。火葬炉は全部で15基あるとのこと。和風の落ち着いた雰囲気で正面には大きな観音像もあるそうです。

利用料金は、特別室:10万7500円、一般の火葬炉:5万9000円だそうです。他には高級志向の特別殯館:17万7000円も利用できるとのこと。この葬祭場では民間らしく、貸し葬儀式場、有料霊安室、有料待合室、飲食店などの様々な付加サービスがあるのです。
山形市とは大きく違い料金も高いですが、利用者も多く都心部としては満足度も高いそうです。
山形市もこのような事例を参考として補助金や許認可緩和を積極的に行い、地元民間企業と協力するのも有りなのではないでしょうか。
この記事を書いた人

座右の銘は「先駆け」。マイブームは休みの日に愛犬を連れて行くドックラン巡りです。