宮城県栗原市 重要無形文化財 正藍冷染との出逢い Vol.2
気付き発見メディア★a!Life★&一休さんナイガイ★記事コラボ企画!
以前、宮城県北での仕事を担当していたおたまの母。自ら終活を進め、その一環で思い出の地栗原市へ連れて行ってほしいというリクエスト。母の行きたいところ巡りをドライブ気分で受けることにしたのですが…。道中で国宝指定の伝統を受け継ぐ藍染「正藍冷染」に出逢い、どっぷり千葉家の沼にはまり込み、惚れ込んでしまいました。
1|染めあがったよ!
8月上旬、染めあがった反物を引取りに再訪。お仕立ても希望していたので、地元でお仕立ての窓口をされている佐々木さんをご紹介いただきご同席いただきました。佐々木さんも、正藍冷染の技に惚れ込み裏方でバックアップされていらっしゃる一人。まだまだ無知な私に千葉家伝統の正藍冷染の歴史や製品について色々ご教授くださいました。
小上がりに広げられた反物からはふんわりと藍染の香りが漂い、手しごとならではのあたたかさ、風合いを感じる事ができます。正藍冷染との出逢いがなければ、放置され箪笥の肥やしになっていたはずの反物。綺麗な藍色に染め上がりに、感動です。
実は、染の前に大問題が発覚… 染前の白の紬の反物と対比のため置かれている染められた反物の幅、見てお分かりになるしょうか。同じ幅なのです。少なくても50年は経過し箪笥の肥やしとなっていた紬の反物は、昔の規格…。現代では、幅も丈も長くなり現代女性に適したサイズになるよう織られているのだとか。仕立てが無理であれば何かに使うことを前提に染めていた紬の反物。佐々木さんが幅・丈を測りながら「大丈夫!何とか間に合いそうよ!!」と、いよいよお仕立てへの過程へ入ることになったのです。
藍染湖と呼ばれる荒砥沢ダムから流れる二迫川の水で洗いを施し、新たな命を吹き込んでいただいた反物ですが、仕立てまでの手間はまだかかります。落としきれない灰汁が繊維に残っているそうで、灰汁による変色などが起こらないように、もうひと手間かけ二度目の洗いをしなければならないとのこと。その期間に、袷にするか単にするか…ファイナルアンサー週間突入です。
2|藍染を見学
仕立て打合せのあと、佐々木さん持参の木綿の白いブラウスを染める正一さん。優しく生地を扱いながら、真剣な面持ちで時計とにらめっこ。アハハ オホホと小上がりで談笑する私たちの空間とは違い、工房には凛とした空気感で一線が引かれていました。染液に浸けるのは、2~3分程度。時計とにらめっこしながら、染液と生地の相性を職人の感と技で見極めます。正藍冷染の染色の季節は、初夏から盛夏の手前まで。青い空に藍の染物が並ぶ景色を来年は見てみたいと思う、おたまなのでした。
3|腹ごしらえタイム!ふらり入った店が「県北の名店」だった件
千葉家を後にし、ランチタイム。母から「冷やし中華を食べたい」というリクエストがあり、某検索サイトで調べてみると、町から少し外れたところにあったのが中華料理店 白果楼(パイコーロー)さん。ランチタイム前ということもあり、席の確保も無理なくできました。隣の席では、このところ名物になった麻婆焼きそばを頬張る仕事人の皆さま。実に美味しそうに召し上がっていましたが、おたまの注文後に運ばれてきた手前、メニュー変更ならず(;^_^A 写真でご紹介の通り、漢前な盛りにテンションも上がりますw 野菜もシャキシャキ、お肉も下味がしっかり染み込み旨味も倍増!豚肉は地のものを使われているとか。肉焼売なのにオン・ザ・エビ!!肉と海鮮エキスが混然一体となり垂涎の逸品でした。
美味しいお料理をいただきココロも満たされ、会計しようとした際に直感が働いたのでしょうか…。「コレ!頼むから!!」と母。ここまで食べて、まだ食べるのか?と思ったらお土産用にとのこと。正直なところ揚げパン系が苦手なおたまだったのですが、このお店で揚げパン克服。油切りもバツグン、そして大好物のシナモンシュガーが大量にかかっているのです。袋から漂うシナモンの香り♪さすが中華屋さん! 酢豚の肉の下味が美味しかったのも納得です。県北に住まう知人からも「よく見つけたね」とお褒めの言葉。名店あるあるな「町はずれ」の飲食店、お座敷もあるのでご家族連れでいかがでしょうか。
営業時間:11:00~15:00、17:00~翌0:00 定休日:水曜日
電話:0228-23-3470
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗に確認を。
4|お仕立てが始まりました。
二度洗いも済み、いよいよ仕立て寸法測定の時! 御誂にくるまれた神々しい反物。染める前は張り感やゴワゴワ感もあり着るのが大変そうだなと思っていたのですが、洗いの後に触ってみると、前より生地に柔らかさが出ていました。「お外で見ると色が変わって面白いわよ」と、佐々木さん。
この日は日差し弱めな曇り空。鮮やかさを残しつつ落ち着いた色目。やはり屋外のほうが藍の色が美しく見えます。いくら柔らかさが増したといっても紬という生地は、耐久性に非常に優れたものなのだそう。着物が日常着だった時代、織りたてでは生地が硬く着心地がよくないため裕福な方は使用人などに自分の紬を着せて柔らかくしてから自分で着用したという一説や、単で着まわして柔らかさと風合いが増したら袷に仕立て直して紬を楽しむ方法もあるほど。悩みに悩んだ末、単でお仕立てしていただくことにいたしました。
5|まとめ
正藍冷染の手ぬぐいを使用前に自宅ですすぎましたが、水道水が緑色になり、その後洗面ボウルが藍色に! 手拭いでこれだけ出るのですから13mの反物のすすぎの水にも、さぞかし色がついていたことでしょう。この段階ですでに8月中旬。「単だもんね。9月には仕立て上げるから!」と佐々木さんから力強いお言葉をいただき、お仕立て上がりを待つばかりとなりました。
<Vol3につづく>
※参照リンクは、Wikipediaを参照しています
白果楼(パイコーロー)へのアクセス
※記載した店舗営業日時・情報は、変更になっている場合がございます。また個人で経営されてますので急なお休みなどございますので、予めご了承ください。
この記事を書いた人
おたま 体が動くうちに、と一念発起!大型自動二輪免許を50代前半で取得しました。温泉、日本酒とクラフトビール、釣った魚で作る料理が何よりの大好物。「ココロとカラダがヨロコブことを」が信条です。 何卒宜しくお願い致します。
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